By Mike Sullivan
自己紹介をお願いします。女子美術大学で何を勉強していますか?
キムテヨンと申します。私はデザインをより深く勉強し、母国だけに留まらない、世界的な広い視野を持ちたいという理由から日本への留学を決めました。今は、アートディレクターを志し、女子美術大学という女性だけの環境の中で、女性の感性を活用した芸術を学んでいます。
キムさんの作品についてお聞かせ下さい。どのようにCherry Blossomをスタートしましたか?
手作りの工芸はとても魅力的だと思います。デザインの勉強をしながらも、機会があったら、手作りの作品を作ってみたいと思っていました。そして、今回のハイパージャパンをきっかけに、今まで作ったことのないジャンルに挑戦しようと思いました。過去の作品にはない、可愛らしさをテーマにした手作りジュエリーを企画しました。
作品の桜のモチーフは、なぜ選びましたか?どのよう発想をして作品のデザインに落とし込みますか?
外国人として日本と言えば思いつく代表的なアイコンは桜です。冷たい冬を越えて山全体を薄紅色に染める桜。 パッと咲いてパッと散る、潔さが日本人の美意識にぴったり合致していると感じます。私は美しい桜と日本の美しい文化をcherryblossomに入れ込みたいと思いました。そして、ハイパージャパンという国際的な場で日本の美しさを伝えられたらと思い、このモチーフを選びました。
Cherry Blossomの作品のデザインにどのくらいかかりましたか?そして、作品の製作期間をお知らせ下さい。作品を作る際のプロセスを簡単に説明頂けますか?
作品の最終的な目標は、桜の美しさを最大限に表現することでした。今まで作ったことのないジャンルでしたので、デザインの場合、イメージを形にするまで一ヶ月の時間がかかりました。そして、デザイン作業が完成したら、独自の要素を付け加える作業に入ります。ブレスレットの場合、動きのある形が美しい布の素材の上に、光沢のあるゴールドのビーズを飾り付け、本物の桜を想像させるデザインに仕上げました。
女子美術大学を卒業した後で何をしたいですか?
将来の目標は高校の時から尊敬してきた村上隆先生のように、以前にはなかった新しいアートの領域を追求して独自のブランドを作り上げることです。卒業したら、大学生活4年間で学んだ知識を独自の芸術世界と調和させ、”GEISAI”などのアートフェアに積極的に参加し、多くの人々に自分の芸術観を発信していきたいです。様々な分野で活躍するアーティストたちと出会い、韓国を代表するアーティストとして韓国と日本のアートの交流を発展に貢献したいです。
HYPER JAPANについて感想を聞かせて下さい。
イギリスでの10日間、私はいろんな人々に出会い、「私にとっての芸術の可能性」を見つけることができました。人とのコミュニケーションは、私にたくさんインスピレーションを与え、芸術的な視野を広げてくれます。また、韓国人留学生として、日本の素晴らしい文化を海外の方々に紹介することができて、本当に嬉しかったです。今回の「HYPER JAPAN 博覧会」をきっかけに、もっと国際的な場で、多くの人々と交流したいと思いました。
キムさんはロンドンは好きでしたか?イギリス料理を食べましたか?
ロンドンは本当に素敵な町でした。その中でも、最も印象深かったのは、長い歴史を感じさせる建造物でした。バッキンガム宮殿やタワーブリッジなどの歴史的建造物は、現代の建築様式にも負けない美しさを持っていました。ロンドンへ旅行するなら、数々の世界遺産を始め、歴史的建造物や文化遺産への訪問をおすすめしたいです。
桜が大好きでしょうね。なぜですか?
桜は厳しい冬の過ぎさりと、新たな年の始めを知らせます。桜が咲くと「あぁ、春が来たな」と、とても幸せな気分になれます。満開の桜はとても美しくて散る時には、まるでたくさんの雪が降るような眺めになります。美しく咲き、散って行く桜の花のはかなさを私たちは愛する風潮があるようです。
現代では手作りの作品があまりありませんが、手作りの工芸は大切なものと思いますか?
技術の発達でなんでも機械で作られる時代ですが、手作りの工芸は廃れません。それは自分の手を使って物づくりをするプロセスに、他のことでは味わえない喜びを感じるからです。出来上がった作品は、たとえ既製品と比べて仕上がりの面で多少見劣りがしたとしても、世界にたった一つしかない大切な作品です。これからの工芸は受け継がれてきた技法に、さらに磨きをかけ、次代へ手渡すことが大切だと思います。
キムさんにとって日本の伝統工芸とは?
日本の伝統工芸は日本独自のものです。釉薬や土の質、火の温度などの素材の掛け合わせが生み出す世界は、まさに日本ならではのものです。長い歴史・風土の中で 培われてきた日本の伝統工芸は今までも継承され新たな価値を生み出しています。日本の歴史と伝統が入り込んでいる日本の伝統工芸は見る人に美と技への深い感動を誘います。その魅力を世界に発信することで、多くの方にその 価値を伝え、伝統工芸の新たな可能性を見せたいです 。
最後に日本の工芸に興味のある海外の方に一言お願いします。
最近、海外で日本の工芸に対する関心がすごく高まっています。一方、日本の芸術や文化は世界中から注目され、日本に興味を持つ海外の方も年々増えてきているようです。日本の工芸に興味がある方は、是非、日本に遊びにきて日本の文化を楽しんでください。そして、日本の工芸の持つ新しい可能性を感じて頂ければ嬉しいです。