自己紹介をお願いします。女子美術大学で何を勉強していますか?
こんにちは、女子美術大学アート・デザイン表現学科メディア表現領域4年の田中佐和と申します。大学では、グラフィックデザインやアートアニメーション、写真表現の勉強をしております。
田中さんのお作品についてお聞かせ下さい。どのようにその作品をスタートしましたか?
私の作品はガスマスクを付けた女の子のイラストレーションになります。この女の子のシリーズを作ったきっかけは、抵抗する女の子を描きたいと思ったからです。色々な年代の女の子と服装にバリエーションを持たせました。背景は一色塗り、人物は白と黒、グレーだけで仕上げるという設定で制作しました。
作品のアイディアは、どこから来ていますか?どのよう発想をして作品のデザインに落とし込みますか?
今まで見たものや、食べたもの、読んだ話に影響をされていると思います。憧れの世界や自分の妄想も詰めています、耽美的なものが特に好きです。ですので、私の場合は好きな物どうしを組み合わせていることが多いと思います。今回の作品で言えば私はセーラー服が制服だったら良かったなあと後悔している所があるので、女の子に着せました。
デザインにどのくらいかかりましたか?そして、作品の製作期間をお知らせ下さい。作品を作る際のプロセスを簡単に説明頂けますか?
イラストのデザインは、5分程で仕上げます。私はクロッキー帳にシャープペンシルで行うか、いきなりPCのソフトで下書きを描き始めます。このガスマスクの女の子達は、PCのソフト上でラフをつくり、そのまま制作しました。その後、描きたいモチーフなどの資料を集めて観察しながら描きます。今回の作品については手描きの適当な雰囲気を残したかったので、マーカーで描いたようなタッチを残して描き進めたと思います。2年前に描いた物なのでうろ覚えですみません。
作品を使った様々な技術について教えて下さい。
ガスマスクの女の子達はPhotoshopを使って制作しました。技術については誇れるものはありませんが、行き詰まったらイラストのメイキングや、好きな作家の絵を見たりしてモチベーションをあげています。私も誰かに可愛いと思わせたり、絵が描きたいと思わせられる絵を描こうという原動力を貰えるので。
HYPER JAPANについて感想を聞かせて下さい。
もっと大きくなるイベントだと思いました。日本にはコミケやデザフェスというイベントがあるのですが、それに似た雰囲気を感じました。日本のアニメやゲームのコスプレをしているイギリスの方が、とっても綺麗でかっこよかったです。写真を撮らせてもらえませんか?とつたない英語で聞いた所、快諾してくれたので私も興奮しました。コスプレをしている人の中に、日本語を勉強している男の子が居て嬉しかったです。日本に遊びにおいで!という気持ちになりました。イベントを通して、日本について興味を持ってくれるイギリスの方の存在を知る事ができて、良かったと思います。
ロンドンは好きでしたか?イギリス料理を食べましたか?
ロンドン大好きです!ロンドンの街並にとても感動しました。どこに行ってもおしゃれで、日本にはこんな景色はない!と沢山写真を撮りましたのでデジカメに宝物が増えました。あと、7月末なのに夜が涼しく、気持ちがよかったです。寝苦しい熱帯夜の日本とは違うなあと思いました。イギリス料理は、フィッシュ&チップスを食べに行きました、それとエールを飲みました。日本にヘタリアという国を擬人化した漫画があるのですが、イギリスのキャラクターが私は一番好きなので、これがあのエール!フィッシュ&チップス!と感動して食べました。フィッシュ&チップスは、魚の身がふわふわで、タルタルソースにつけると更に美味しかったです。他にはカフェでアフタヌーンティーもしました。日本に居る時にメールで予約をしたので、ちゃんと予約ができたか不安でした。お土産には紅茶を選びました。イギリスでは何が一番美味しかったですか?と聞かれたら紅茶と答えると思います、本当に美味しかったです。ホテルの朝食も紅茶が一番美味しかったです。砂糖やミルクを入れないそのままの紅茶が、イギリスに行ってとても好きになりました。
女子美術大学を卒業した後で何をしたいですか?
自分は絵を描くことが一番好きです、幸いなことに人よりも少しそれが得意でした。そして自分の絵やデザインで、誰かが喜んでくれるととても嬉しいです。私にも出来ない事が沢山ありますが、卒業後は自分に出来ることで誰かの役に立ちたいと考えております。私の場合は、絵やデザインの仕事に就きたいという気持ちになっています。現在デザイン会社の選考に参加しており、希望の職に就けるよう努力しています。
田中さんの中で、どのくらい日本的要素を取り入れて仕事に取り組んでいますか?そして、どのように日々、日本についてのインスピレーションを取り入れていますか?
作品のテイストによって差はありますが、卒業制作のグラフィックの一つとして「どらやき(日本のおやつ)」を宣伝するポスターを作りました。要素としては、日本のテキスタイルをデザインに使用することは多いと思います。市松模様や青海波といった模様です。近頃の日本ではパステルの色味やテイストが流行っているので、日本のテキスタイルをパステルカラーで制作しパターンとして使っています。モチーフとしては椿や彼岸花などの日本の花が好きです、この二つの花に耽美的な美しさを感じます。
田中さんにとって日本の伝統工芸とは?
日本の誇りだと思います。気の遠くなるような創意工夫や、手順を踏んで作られる建物や工芸品、食べ物、音楽、舞踊、景色など、何を選んでも日本人の手先の器用さや仕事に対する真面目さを見る事が出来ると思います。それは日本人の性格や、島国が作った歴史や態度ではないかと思います。私は職人になる人生をおそらく歩みませんが、日本人としての誇りはそういった態度で継いでいけるのではないかと考えています。自分がどんな仕事を持ったとしても、真面目に相手の事を考えて取り組みたいと思います。
最後に日本の工芸に興味のある海外の方に一言お願いします。
日本には美しいものが沢山有ります。綺麗な景色や、細かい仕事、美味しい食べ物が沢山有ります。私は日本に生まれて本当に嬉しいですし、日本の文化が大好きです。死ぬまで退屈しないと思います。あなたがどのような工芸について興味があるのか、解りませんが伝統的な工芸について言えば、お弟子さんとして始めて職人を目指してくのだと思います、雅な世界ですね。最近のデザイン工芸について言えば、アニメなどのサブカルチャーが、やはり人気だと思います。フィギュアの造形を行う方や、美麗なイラストを描く人もフィギュア造型師、絵師などと言われています。生活を犠牲にしてまで、とことん極めたい、好きな物に愛情を注ぎ込む、というような変態が多い国なのでしょうか、その結果がこれです。先人達の作った技術と工芸によって日本の文化、娯楽、メディアは大変にぎわっております、オタクバンザイです。一度日本に来てその工芸や、テクノロジーを体感してみてください。ゲームセンターで遊ぶもよし、メイド喫茶で楽しむもよし、お抹茶をすするもよしです。私は日本をもっと知ってもらいたいです、日本にきたらお寿司と雪見大福を食べてください。日本人はシャイですから、外国の方オソレイリマス、アリガトウと言われるととても喜びますよ。